聴神経腫瘍

聴神経腫瘍は、内耳に発症する病気です。
聴神経の周りの細胞にできる良性の腫瘍で、初期症状として片耳だけに耳鳴りがするのが特徴。
進行スピードは非常にゆっくりとしていて、症状が出るまでに時間がかかります。
そのため聴神経腫瘍と診断されたときには、腫瘍はかなり大きくなっているケースも多いようです。

聴神経腫瘍の症状

聴神経腫瘍が大きくなってしまうと、ほかの神経線維や脳を圧迫し、さまざまな症状が現れてくるようになります。
代表的な症状は、以下の4つです。

  1. 耳鳴り
  2. 難聴
  3. めまい
  4. 顔面の痺れ・痙攣

聴神経腫瘍の初期症状として見られるのが、耳鳴りや聴力の低下です。
大きくなった腫瘍で、周囲の神経や血管が圧迫されるのが原因といわれています。耳鳴りや聴力の低下は、片耳だけに発症するのが大きな特徴です。
発症の初期症状としてみられるのが、回転性めまい。身体が浮動するような症状を引き起こします。
その他には、聴神経腫瘍が顔面神経やその周りの血管を圧迫し、顔面の痺れや痙攣などを引き起こすこともあります。
聴神経腫瘍の症状は、腫瘍が発症する場所や大きさなどで、現れる症状が異なるそうです。上記のいずれかの症状を感じたら、早めに耳鼻咽喉科で診療を受けましょう。

聴神経腫瘍の治療方法

一般的な処置方法は、手術と放射線治療の2つです。
ただ、発見したときの腫瘍が小さい場合は、しばらく症状の進行を見ながら経過観察をすることもあります。
以下に、それぞれの治療法の特徴などを簡単に説明してみます。

  • 経過観察
    定期的にMRIで撮影をして、腫瘍の状態をチェックしていきます。
    最初にMRIで撮影をしてから6ヶ月後、さらにその1年後に撮影して様子を見ます。
    悪化していなければ、その後は1年に1度のペースで10年以上経過を見ていくようです。
  • 放射線治療
    聴神経腫瘍に放射線療法を行う場合には、一般的ながん治療で用いる分割照射法と特殊な装置を用いる方法があります。
    治療に要する時間は手術に比べて短く、身体にかかる負担は少なくてすみます。
    ただ、放射線療法は腫瘍を摘出するのでなく放射線を照射するため、腫瘍の組織に直接触れた診断はできません。
    放射線療法をした後、またMRIで撮影してその後の治療方法を判断していくことになります。
  • 手術
    聴神経腫瘍が大きくて放射線治療を行えない場合は、手術で腫瘍を摘出します。
    手術の目的は、大きくなってしまった腫瘍が、他の神経機能に悪影響を与えないようにするためです。手術をすれば、組織に直接触れて腫瘍を確実に摘出できます。
    脳に近い部分の手術ですので、腫瘍の大きさによっては、ある程度の後遺症のリスクを覚悟しなければなりません。
    ただ、耳鼻科が行うような小さい腫瘍摘出手術であれば、その心配は少ないでしょう。